「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」フライヤー



シェイクスピアの戯曲「ハムレット」の最後の最後で『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ…』のたった一行で片付けられた、憐れな脇役2人組のスピンオフ的な作品。物語の内容は、デンマークの王子・ハムレットがどうやら正気を失ったらしく、ハムレットの学生時代の友達だということでちょっと励ましてくれないかと国王に呼び寄せられた二人。国王の頼みはわかるけど、でもハムレット何か変でちょっと恐いし…。「ハムレット」の悲劇の物語が粛々と進む中、あーだこーだと喚きながら、どうしていいかわからずにうろちょろうろちょろ…。その具合が滑稽で笑ってみるが、でもこれは自分のような普通の人間の話だ。どんなに自分が主人公だと思っていても、他人にとっては所詮脇役で、たった一行で片付けられる人生なのだ。…ただ、あんな死に方だけは絶対に嫌だ。
そんな彼らに感情移入しながら戯曲を読んでいると、自然と二人の姿が浮かんできた。ちょっと表情が自信なさそうというか、下から覗いてくる感じ。気づいたら小指立っちゃう感じ。背景にはあくまでも舞台上ということで舞台セットを描き、劇中に出てくるアイテムも象徴的に散りばめた。
このチラシは札幌の劇団、木製ボイジャー14号さんの公演のチラシ。裏面は一度パソコン上で組んだが、カチッとし過ぎというか、自分のイメージする“ロゼギル感”(≒ 芋っぽい、B級感)と合っていなかったため、一文字ずつ手書きで描き直し、役者の顔も手書きで描くという前代未聞の仕上がりとなった。